仕事はすべて人のため

僕のように社会人になって30年以上も仕事していると、楽しかったことも苦痛でしかなかったことも色々と経験している。それで、努力して結果も出たからといって嬉しかったかというと、喜びは一瞬ですぐ冷めてしまう。

例えば、国家資格で難易度の高いものを取得しても、それは個人のことであり、資格を持っているだけでは意味がない。資格も人の役に立ってはじめて生きてくるわけであり、資格を自慢するような人は単なる資格コレクターにすぎない。医者の世界でも名医は、どこの大学出身ということじゃなくて、ブラックジャック先生みたいに腕のいい医者、それが無資格医であっても
病気治してもらえるなら名医となるのだろう。

僕の場合は電気の資格だけど、資格所有者で実際その資格を有効に生かしている人は極一部にしか過ぎない。資格そのものは車の運転免許でも同じように、試験を受けて合格すればもらえる。でも車の運転技術は実際運転を経験しなければ、ペーパードライバーといわれ自由に運転とはいかない。電気の資格も経験する場に居合わせなければ経験しようがないので、ペーパードラバーじゃないけどペーパー技術者のほうが多いのが実態だ。

それで資格で仕事するのじゃないのに、資格を持てば仕事ができると勘違いしている人が多い。どんな資格だって同じで、人のため世のために役に立たなきゃ意味がないと最近つくづく感じている。変電所の管理とか、何もやってないように意識されないのがいい状態であり、普段はだれからも感謝とかされない。いわゆる縁の下の力持ち。しかし東日本大震災のときもそうだったけど、日本ほど停電がめったになくて、いつでも安定した電気が使える国は世界にはないはず。理由は簡単で、世界一品質にうるさいお客をかかえている電力会社が世界一の電力供給システムを作っているから。

僕はネット社会になってなかったらおそらく電気技術者で働き続けたと思う。でも自分にはもっと人のためにやりたいことがあるので、誰もやってないようなことに挑戦していこうとしている。自分のためになんて頑張れないのがわかっているし、他人のためならいくらでも頑張れるのも経験しているから、もう他人のためだけに働こうなと思っている。

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【緒方洪庵の「扶氏医戒之略」より】
医の世に生活するは人の為のみ、おのれがためにあらずということを其業の本旨とす。安逸を思はず、名利を顧みず、唯おのれをすてて人を救はんことを希ふべし。人の生命を保全し、人の疾病を復治し、人の患苦を寛解するの外他事あるものにあらず。

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